今月、光通信やネットワークの専門家のための世界最大の年次会議であるOFC会議が米国カリフォルニア州サンディエゴで開催され、何千人もの研究者、エンジニア、学生などが集まります。OFC 2023の開催に向けて準備を進めている中、ここ数年間にこうした会議に起きた変化を振り返ってみると、このようなイベントを提供し続けることに大きな価値が見出されます。
たとえば、2020年3月上旬に思いを馳せてみてください。新型コロナウィルス感染症の発生はまだ正式にパンデミックとして宣言されていませんでしたが、企業や大学、出展者などは、感染が世界中に広まるにつれて、スタッフの出張を突然かつ大幅に削減しました。OFCの主催者やスタッフは迅速に対応する必要があり、今では一般的になっているものの当時はまだ馴染みの薄かったオンライン会議ツールにも部分的に頼りました。
計画を見直して開催された会議の成功は、重要な成果でした。コロナウイルスによって生じた初期の大きな混乱にもかかわらず、OFC 2020では当初予定されていたセッションの90%以上を対面またはバーチャルに開催できました(興味深いことですが、OFCがまさに専門とする光通信技術によって会議が実現したのです)。その最初の経験で学んだ教訓は、完全にバーチャルであった2021年のOFCや、2022年における対面とバーチャルのハイブリッド形式の復活など、その後の会議を新しい形式へと前進させてきました。OFC 2023では、対面とバーチャルの両方によるプレゼンテーションを含むハイブリッド形式を再び採用して会議を開催します。
このような流れの中で、この会議がパンデミックによる混乱にもかかわらず強力であり続けていること、そして私たちのコミュニティの歴史におけるこの時点で、産業界と学術研究を結びつけるためにそうしたフォーラムが依然として重要であることに、心を打たれます。たとえば、私自身の専門分野であるシリコンフォトニクスでは、変化のペースが日々加速しており、技術がわずか数年で実験室から製品へと一気に進んでいるように見えます。そうした環境では、OFCのようなイベントがもたらす強力な産学交流と新しいアイデアの交換に代わるものはありません。
今年のOFCは、女性の社会的、経済的、文化的、政治的貢献を示すグローバルなイベントである国際女性デー(3月8日)と同時期に開催されるため、この分野での女性の功績をたたえ、支援する機会も提供します。OFCでは、Opticaは、特別な朝食とパネルディスカッションや、講演やSuzanne R Nagelラウンジでの午後のレセプションを通じて、この日をお祝いします。会議にてこれらのイベントに参加していただくとともに、皆さんの人生やキャリアにおいて重要であった女性の科学者、エンジニア、またはメンターに感謝する機会として、optica.org/WomenInScienceに賛辞を投稿していただければと思います。これは、私たちの分野を前進させている多くの女性たちを称える素晴らしい方法です。
OFCでお会いしましょう!
ミハル・リプソン(Michal Lipson)
Optica会長