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会長からのメッセージ<

私は、Optica会長の立場から、科学者およびエンジニアが可能性を発見しより良い未来を創り出すという、人類がもたらすことのできる最高の成果を目にする機会に恵まれてきました。それが、悲しいことに10月の初めに人類の最悪の状態を目の当たりにしました。

10月7日、毎年の楽しい恒例行事となっているFrontiers in Opticsの会議にOptica会員の皆さんが参加する支度をしている間に、ハマスによるイスラエル市民に対する残虐なテロ攻撃のニュースが流れました。その日とその後数日にわたる映像と物語と喪失感が一生付きまとう人たちもおられることでしょう。私の今年のこれまでのメッセージをお読みいただいた方ならご存知なように、私はイスラエルに生まれて同国で勉学に励みました。現在は米国で生活し働いていますが、生まれ故郷である国とは今もなお個人や家族単位での強い絆があります。10月7日以降繰り広げられている悲劇は、個人的にも強い衝撃を与えるものでした。

私は普遍的な価値観が、いま危機に晒されていると考えています。各自の政治的な考え方がどのようなものであっても、私たちは罪のない人々を標的にするテロリズムは正当化できないという点で意見が一致していなければなりません。私は、殺された方々のことを悲しむとともに、負傷者の方々が回復し人質たちが無事に帰還できるよう、祈り続けています。また、ハマスが引き起こした国際危機による影響を受けているOptica会員とすべての人に心からの支援を表明します。このメッセージを執筆している10月末にも、危機はさらに急速に展開しており、いつどのように終結するのか見通しが立っていません。

今回が、私が2023年のOptica会長として毎月執筆してきた最後のメッセージです。一年間を振り返ってこの12月号のメッセージでは、より良い世界の構築に向けて私たちの科学が秘めている限りない可能性について強く述べたいと考えていました。正直なところ、最近の出来事を鑑みると、楽観的な言葉を綴ることはできそうにありません。

しかし、一連の出来事は有事に相互支援を提供できるネットワークを構築し、人類の最も素晴らしい面を表すような探求と発明、そしてコミュニケーションの精神を維持するという、Opticaのような国際的コミュニティが果たしている重要な役割を浮き彫りにしていると言えます。そこで、今回のメッセージの結びの言葉として、Opticaを率いる機会を今年度私に託してくださったことにつきまして、会員の皆様に感謝の意を表したいと思います。また、これまでの道のりで私を支えてくださった本学会のボランティアやスタッフの皆様にもお礼を申し上げます。そして、私の後任者として2024年度のOptica会長に就任するGerd Leuchs氏には、Opticaを引き続き前進させていくよう心から健闘をお祈りいたします。

ミハル・リプソン

(Optica会長)

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